運命論を説く敵
エンリコ•プッチ神父
徐輪脱獄前まで現れるだけで『なんでこいつはっ…』と承太郎にした事でカチーンと思い出しては苛立っていたけれども、終盤のケネディ宇宙センターに向かうところから
『お前ごときの薄っぺらな藁の家が私とDIOの深淵なる目的の塔に踏み込んでくるんじゃあない』
の台詞を皮切りに、言葉がグサッグサッと刺さるようになってきた。
漫画で先読みしていて展開把握していても、いざ声がつくと凄味が増して『勝てる気がしない』と尚思わせてくる言葉。
燕の話もそうだったけど、職業神父なだけあって、相手を説き伏せてこようとするパワーをビシバシ感じる。
本来なら人間ごとき(ましてや漫画のキャラクター)が操れない『運命』をがっちり掴んで離さないぞとする気迫が、どのキャラクターよりも強い。
思えば徐輪陥れる為に、自分の過去との決別の為に、DIOの得体の知れない天国への道の為に、安全な街中の神父ではなくわざわざ教誨師になったんだろうか…
彼の能力で巻き添えになった名もなき人々を一瞥せずに利用する辺り、生来悪性はあったから神父の皮を被って歩いているだけではないだろうか…
なんなら、自身を殺人鬼だと徐輪への真っ直ぐな気持ちを承太郎に告白したアナスイの方が善性を感じるのに、魅了されていく。
今日、そして、スペースシャトル浮いたところで思わず泣きかけてしまった。
時は加速する